癖のあるボケ味の虜、今どうしても使いたいレンズ Nikkor-S Auto 55mm F1.2

使いたい、と書きました。実はこのレンズ、既にもう持っているレンズだったりします。ただ、持ってはいるんですが、今はそのレンズを使えないでいます。そんな Nikkor-S Auto 55mm F1.2、その購入に至る経緯やこれまで使用してきた流れ、そして現在なぜこんな風に思ってるかなど、ちょっと書き留めておきたいと思います。

Nikkor-S Auto 55mm F1.2を購入した経緯

ワタシがはじめに手にしたデジタルカメラ、それがデジタル一眼レフカメラのD70でした。そんなD70を手に入れた当時は、背景がボケさえすれば上手い写真が撮れたような感覚になって、とにかく綺麗にボケるレンズが欲しくて仕方ありませんでしたね。絞りがどうとか、開放値がどうとか、そんなワードばかりが頭を駆け巡っていました。そんな流れから、レンズ単体で初めて手を出したものが「AI AF Nikkor 35mm f/2D」と「AI AF DC-Nikkor 105mm f/2D」の二本でした。当時のニコンレンズを集めた雑誌などを見ながら、前者はその作例などの印象と金額、そして後者はその作例を見てどうしても欲しくり、カメラ駆け出しの身としてはかなりの高額出費ではあったのですが購入に至ったことを覚えています。ちなみにこの二本に関しては、今でも使っているお気に入りのレンズです。とういう流れで始まった、カメラを触り始めるとどんどん高まるレンズ熱。「レンズ沼」とも呼ばれるその世界観は、当たり前のようにワタシも飲み込んでいきました。ズームレンズを買い、広角レンズを買い、マクロレンズを買い、そうして行き着いた「更に明るいレンズが欲しい」という欲求。その思いを満たすために手を出すことを決めた、1.xレンズだったのです。

選択肢は幾つかありました。用途的に普段の街歩きの際に使っていた35mmF2の代替えであることに加え、その当時持っていないと言う理由で50mm前後の物がいいなと思っていました。いろいろ物色していると、F1.2のレンズには50mmと55mmがあることが分かり、金額、それにとにかく癖が強そうであるという理由から、最終的に55mmをチョイスし購入に至りました。購入時期は2007年頃で二万円を切る価格だったと記憶しています。

はじめて味わう不自由さ

そんな憧れのオールドレンズ購入当初のボディは変わらずD70。デジタルの世界でカメラデビューしたワタシにとって、初めて味わうカメラを扱う不自由さ。このことが、これまでのワタシのカメラ事情を一変させます。レンズもボディも何もしてくれない、絞りも露出もフォーカスも、撮影に関するその全てを全部自分で行わなければいけない状況が、不自由だけど新鮮で驚くほど楽しかったことを覚えています。

意味もなくいろいろ撮ってたなって、思い出します。その後ボディもD300に代替えし、撮影する場所も機会も増えたりして、主に人物を撮る際に好んで使っていた気がします。スタジオ撮影なんかでも、結構な頻度で使っていましたね。

Nikkor-S Auto 55mm F1.2 実際の仕上がり

単純にフォーカスもマニュアルなことに加え、開放値よりで撮影をする機会が多かったので、ただなんとなくピンの甘い仕上がりって言っちゃえばそれまでの仕上がりではあるのですが、個人的にはその雰囲気が好きでした。

  • Nikon D300/Nikon Nikkor-S Auto 55mm F1.2
  • 55mm/f1.2/ISO 200/1/100秒

F値は恐らくの値になりますが、それほど明るくない室内撮りの一枚です。この頃の写真と自分の現像の仕方のその両方が、こういった写真の雰囲気を作り出してます。同様のRawデータを今現在の最新版ピクチャーコントロールで調整しても、こういった感じになりません、ホント不思議なことに。実際は暗部も黒潰れしているし、写真としてはあまり良くないのかもしれませんけどね。

  • Nikon D300/Nikon Nikkor-S Auto 55mm F1.2
  • 55mm/f1.2/ISO 200/1/200秒

こちらはLightroomを使って最新のピクチャーコントロールで再現像してみたものです。こうしてみると、やはりこのレンズ好きだなぁ、使いたいなって思いますね。

  • Nikon D300/Nikon Nikkor-S Auto 55mm F1.2
  • 55mm/f1.2/ISO 200/1/400秒

これも完全に黒潰れしてますが、個人的に好きな一枚。何度も再現像しましたが、細部まで表現してこの雰囲気は出せませんでした。もう少ししたらまたチャレンジしてみたいと思っています。

  • Nikon D300/Nikon Nikkor-S Auto 55mm F1.2
  • 55mm/f1.2/ISO 200/1/2000秒

足成で初期のモデルさん、この時の撮影にも使ってました。お顔がちゃんと見えるものが出せれば良いんですが、この方は配信終了しちゃってるので顔の見えないやつで。

  • Nikon D300/Nikon Nikkor-S Auto 55mm F1.2
  • 55mm/f1.2/ISO 200/1/800秒

こちらも足成で初期にお世話になったモデルさん。この方もこのレンズで何枚も撮らせていただいてました。

  • Nikon D300/Nikon Nikkor-S Auto 55mm F1.2
  • 55mm/f1.2/ISO 200/1/8000秒

この写真は、結構絞って撮ってた気もしますが、シャッタースピードもMaxなので、ひょっとしたら開放気味で撮っていたのかも。全く思い出せませが、F値以外はマニュアル撮影での記録なので、シャッタースピードやISO感度などは間違いなくその数値です。

とにかく、このレンズでこうして写真を撮るのが楽しかった頃です。ただ、このレンズとのお別れが突然きます。

実は装着してはいけなかったD300

スタジオで撮影していた際、このNikon Nikkor-S Auto 55mm F1.2レンズを外し他のレンズに差し替えた際、なぜかレンズを認識しない状況となりました。ん?と思っていろいろ見てみたのですが、何やらプラスチックの破片のような物がぶら下がっているではありませんか。撮影中であったこともあり、かなりパニックになってましたね、ワタシ。

折れてぶら下がっていたのは、このマウント部分に出っ張っている「絞り連動レバー(最小絞り認識レバー)」でした。実はこの Nikkor-S Auto 55mm F1.2 というレンズ、非Aiと呼ばれるもので、F値と呼ばれる絞りの値にAi方式を採用しているボディではこの部分が物理的に干渉してしまい、本来装着できないものだということ。ワタシは無理やり押し込んでマウントさせていたため、使えている気になってましたが、その負荷によってこのプラスチックの部分が折れてしまったというわけですね。無知とは恐ろしい。。。もちろん、以後の撮影はできない状況となり、そのままNikonのサービスセンターに入院となるわけです。当たり前ですが、以後装着しておりません。

現在使用しているボディ Nikon D810

もちろん、現在使用しているD810においても同様です。この、非Aiレンズは装着できません。これはD810購入する際から分かっていたことではありますが、やはりこのレンズが使えないことは寂しい限りです。

だからこそ、今使いたいNikkor-S Auto 55mm F1.2

そんなNikkor-S Auto 55mm F1.2を使う方法が幾つかあります。

マウント可能なボディの購入

実はこの非Aiレンズをマウントできるボディがいくつかあります。フルサイズでいうとNikon Dfなどが挙げられるでしょうか。

Dfは、マウント時に干渉してしまう絞り連動レバーが可動式になっていて、非Aiレンズを装着することが可能になっています。

また、この絞り連動レバーが回転式ではなく押し込み式になっているボディがあり、それであればこの突起自体がありません。ちなみに、ワタシが持っているボディで装着可能なものといえばはD60ですが、やはり時代の流れといいますか、ファインダーを覗いてのピント合わせなどが難しいことに加え、その610万画素という仕上がりサイズにも少々不満を持っていまして、あまり使う機会がないのが正直なところです。やはりDfが欲しいなぁ。。。

レンズのマウント部分を改造する

これはレンズのマウント部分を削って改造する方法です。昔はニコンでもこの作業を行ってくれていたようですが、現在そのサービスはありません。ただ、現在でも民間で取扱をしてくれるところもあるようですので、安全に改造を行いたい方は業者にお願いするのがよさそうです。

また、結構リスキーですが自分で改造することもできるようです。ネット上にはご自身で改造された方の情報も結構ありますので、頑張ってやってみるのもひとつの手かも。当たり前ですが全てが自己責任になりますけどね。

マウントアダプタを使う、改造する

この方法が良さそうで今いろいろと情報を集めているところなので、また何か進展があれば随時更新していきたいと思います。

最後に

とにかく、このオールドレンズの癖のあるボケ味に取り憑かれていることは事実なんですよね。どうにかしてこのNikkor-S Auto 55mm F1.2を使って、また人物などをたくさん撮りたいなって思ってます。特に子供の成長を綴りたいなぁ。